ネクタイのはじまり

ローマ兵の防寒用の布がはじまり

私たちが普段しているネクタイは、一体いつどこで、どのようにして生まれたものでしょうか?それではネクタイの起源を探ってみたいと思います。ネクタイの起源は諸説あること前提にお読みいだければと思います。一番古いと思われるものは、1世紀、2世紀頃の古代ローマ帝国にさかのぼります。ローマ帝国の国境警備にあたっていた兵士は寒い襟元に風が入るのを防ぐため、防寒のためにフォカレ(focale)と呼ばれていた羊毛の布を首に巻き付けたものが最初とされています。

ネクタイ発祥の地フランス

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その後、今のネクタイの原型とも呼ばれて、広く世の中に知れるようになったキッカケは、1656年にフランスでルイ14世に支えるためにやってきた、オーストリアのクロアチアのクロアット連隊の将兵が首に巻いていた鮮やかな色彩の布といわれています。

 

その布を見て興味を持ったルイ14世は兵士が首に巻いているものはなんだ?と尋ねたところ、勘違いした側近が「クロアチア兵(クラバット)」と答えたためにクラバット(Cravat)という名前がついたともいわれています。その名残か分かりませんが、フランス語では、ネクタイのことをクラバット(Cravat)と呼んでいます。

 

その後、ルイ14世がオシャレとして使いはじめるようになり、1660年頃からはフランスの宮廷内でもこのクラバット(Cravat)が流行して白のモスリンでレースの刺繍の入った豪華な飾りがついたものが作られました。これが宮廷から一般庶民へと防寒のアイテムではなくオシャレアイテムとして広まったといわれています。

 

18世紀頃になると、クラバット(Cravat)のような布を首に巻くスタイルが一般的にも定着したのもそのころです。このクラバットの人気は第一次世界大戦前まで、一般的な男性の正装スタイルとして、パーティーや重要な会合のにはクラバット(Cravat)を身に付けることが当たり前になりました。初期のクラバット(Cravat)は上質の麻で作られていたようです。写真はクラバットを身に付けたルイ14世です。ネクタイ修理・幅詰め専門サービス

 

イギリスの競馬場で広まったネクタイ

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19世紀後半になると、ファッションの主流はイギリスとなり、クラバットの(Cravat)の結び目を残したようなものが作られ、これが今の蝶ネクタイの原型と言われています。イギリスではアスコット競馬場に出かける時の正装のスタイルとして好まれていたようです。これがアスコットタイの始まりです。

 

また、社交界きっての伊達男であるジョージ=ブライアン=ブランメルがこのネクタイを広めたといわれています。現在、燕尾服には白の蝶タイ、タキシードには黒の蝶タイを使うのはその頃の名残といわれています。

 

また、同時期に現在のネクタイとほぼ同じ形の「フォア・イン・ハンド・タイ」が誕生しました。この発祥については諸説あるのでどれが正しいかは分かりませんが、「フォア・イン・ハンド」とは4頭立ての馬車を意味するところから、ネクタイが広まったという説と、オスカー・ワイルドという人物がこのネクタイを考案したという説もあります。

 

すでにこの頃に考案されたネクタイの結び方は現在の結び方と変わりません。1870年代にシャツの襟が小さくなると同時に上着やベストの襟空きが小さくなったために、それに合わせるようにネクタイの幅や大きさも小さいくなり、今のネクタイのサイズに近くなりました。それに合わせて名称も変化しネッククロス(neck cloth)から、ネクタイ(necktie)、やがては現在の名称であるTIEになりました。

 

ネクタイは最初はクラバット(Cravat)と呼ばれるフランス語でしたが、19世紀以降になってイギリスの紳士服業界がフランスよりも権威が強くなり、その影響からかネッククロス、ネクタイ、タイとなりました。現在はフランスではCravat、イタリアではCravtta、ドイツではKrawatte、スペインではCorbataと呼ばれています。イラストは1913年当時のネクタイの広告です。ネクタイ修理・幅詰め専門サービス

日本で最初にネクタイをつけた人物がジョン万次郎

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日本でのネクタイの歴史といえば、まだネクタイがクラバット(Cravat)と呼ばれていた18世紀の中頃に、ジョン万次郎が米国から帰国した際のおみやげとしてネクタイを日本に持ち込んだのが最初といわれており、ジョン万次郎こそが日本で最初にネクタイをしたのではなないかとされています。

 

一般庶民に広まるのは大正末期になってから、それまでの和服から洋服への変化に伴い、同時にネクタイが一般庶民の間に広まり、日本の経済発展とともに今では男性ができる数少ないオシャレなアイテムとして欠かせない存在になりました。写真は1880年頃のジョン万次郎です。ネクタイ修理・幅詰め専門サービス

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